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中期経営計画(2018年度~2020年度)

1.新中期経営計画の策定にあたって

 株式会社大阪水道総合サービスは、2008年4月に、大阪市の全額出資により設立し、同年7月に事業を開始しました。
水道事業を取り巻く環境は、事業運営の効率化、老朽化対策の推進、技術者の不足や育成など対処すべき課題を抱えながら、広域化や官民連携の推進、経営形態の見直しなど、お客さまのニーズも大きく変化しております。

 当社では、「安心安全な水道ライフラインの構築に寄与することによって豊かで快適な社会の水環境づくりに広く貢献する」ことを企業理念として、長年培ってきた知識と経験を活かしながら、大阪市をはじめ数多くの事業体や団体から受託実績を積み重ねてきました。これにより、様々なニーズに対応できる体制を構築し、当社の企業クオリティを高め、経済性と安全性の両面から、高水準な水道事業の持続性確保を支えてまいりました。

 今後とも、常にお客さまのニーズを意識した業務改善に努め、満足いただける品質の高い水道サービスをお届けするため、継続的に経験豊かな人材の確保と育成に努め、水道技術の継承を図り、公共性や公益性の高い事業に積極的に参画し、時代の要請に見合った合理的な水道事業の一翼を担うべく、当社の『事業構造の変革と安定成長』を達成目標として、新たな経営戦略計画を策定しました。

2.中期経営計画の構成

2.1 新中期経営計画の位置づけについて

 前回の中期経営計画は、2013年度から2017年度の5年間を対象期間に設定し、赤字経営からの脱却、自立化の確立という観点で計画し、着実に実行に移してまいりました。
 しかし、次期の新中期経営計画は、次の二つの理由から対象期間を2018年度~2020年度の3年間といたします。

① 当社を取り巻く社会環境に目を向けると、東北の震災復興の加速はもとより、東京五輪の開催を控えている関係から、しばらくは主に土木・建築の人材がそちらに大きく振り向けられているのが、2020年度にはほぼ一段落するのではと想定されています。したがって土木関係企業の当社事業分野への参入の可能性、そして建築・土木要員の現就業地域から関西への流動性などを見極め、採用方針を見直さなければなりません。

② 今後は自社単独での事業開拓だけでなく、適切な企業・団体とパートナーシップを築き、ポテンシャルの高い業務分野にチャレンジする必要があります。そのため他企業、他団体の動向、環境変化にも当社の経営が影響を受けるため、状況を随時判断し迅速な経営施策の軌道修正が求められます。

2.2 これまでの振り返り

 2013年10月に中期経営計画「2013~2017年度」を策定し、合理的かつ徹底した効率的経営を進めながら、「①大阪市水道事業の合理的・効果的運営に協力する」、「②他市町村への技術協力など民間部門に安定的に委ねることが困難な分野の補完・代替を行う」ことを基本方針と定め、その実現を目指してきました。

(1)経営目標に対する振り返り

 2013年度については、大阪市水道事業の随意契約が廃止となり、大阪市からの受託が減少したことと、またその売上高減少に伴う費用削減が対応できなかったこともあり赤字計上となったものの、2014年度以降は、社員の意識改革を図り、自立した経営基盤の確立に向けた経営改善の取り組みを強化するとともに、他事業体における新規事業の獲得拡大などにより、経営目標を概ね達成しました。

目標 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度(見込)
単年度経常収支の黒字化 黒字
2016年度の売上高:1,200百万円以上 837百万円 910百万円 963百万円 1,339百万円  達成 1,460百万円  達成
利益率:売上総額の2%以上 1.6% 4.9%      達成 8.4%      達成 7.0%      達成
一般管理費:2012年度実績から20%以上削減 42%削減     達成 48%削減     達成 48%削減     達成 46%削減     達成 36%削減     達成



(単位:百万円)

(単位:百万円)

(2)施策に対する振り返り

 ① 人材確保・育成・要員配置
 年度ごとに研修実施計画を策定し、人権・接遇・マネジメント・コンプライアンス・資格取得研修などを実施し、人材の育成及び有資格者の増加に努めるとともに、固有社員を基幹社員と位置づけ、経営の持続性に寄与する適正な要員配置を行いました。
 また、2017年度においては、必要な人材確保の強化のために人事担当課を設置するとともに、育成や技術継承のためのシステム(※TAPシステム)を構築しました。
 ※TAPシステム:技術やノウハウを知識データベースに入力し、トレーニングに活用することで若手・新卒社員の育成期間の短縮を図るシステムで、水道事業に関する技術やノウハウを蓄積し、技術継承や人材育成を行うツールとして活用します。

② 新たな自主事業展開
■新商品(サービス)開発
 災害情報システムの開発は完了しました。ただし、積極的に販売活動を進めたが事業展開には至っておりません。
■企業連携
 客先事業体のサービス範囲の拡大と営業力強化のために、民間企業数社と業務提携を行いました。
■海外展開
 民間企業と連携し、大阪市が技術支援している海外の都市に、水道施設建設の技術指導を実施しました。

3 中期経営計画における行動指針

 当社は、長年培ってきた実績、知識と経験を活かしながら、高水準な水道事業の持続性確保に貢献していくための要素として、企業価値、サービスの向上及び人材の育成、確保が重要であると考えます。
 上記を踏まえて、次の行動指針を設定し中期経営計画の実現に取り組みます。

ガバナンス

 「内部統制システム」を運用することにより、ヒト、モノ、カネ、情報の観点に立ったリスクマネジメントなど徹底した企業統治に取り組み、経営の透明性を高めるととともに、企業価値の向上を図ります。

業務品質

 大阪市水道事業ノウハウを提供する企業として、お客さまのニーズを常に意識した業務改善に取り組み、お客さまにご満足いただける品質の高い水道サービスをお届けします。
また、業務品質の向上のため、IT化の導入にも積極的に取り組みます。

人的資源

  水道トータル技術を有する人員を確保するために、教育訓練や技術研修等を通じて、社員のスキルを高め、大阪市水道局との連携を維持し、他企業とのパートナーシップも視野に入れ、技術の継承・多能工化を積極的に進めていきます。

4 重点戦略

4.1 経営上の課題

 当社は、振り返りでお示ししたように、2017年度における売上高は14億円以上となり目標額を上回り達成し、一般管理費等のコスト縮減を進め、利益率7%以上と大幅に好転し単年度経常収支の黒字化を実現してまいりました。一方で、現状では長くても3年以内の委託契約が売上高の多くを占めており、安定した経営計画を立て難い状況であることも否めません。
 そこで、当社にしかできない、より高品質なサービスを提供することにより、収益の基盤となる事業を早期に確立し、当社の事業構造を変革し、安定的な成長を図ることが課題となっています。

 この課題を克服するため、重点的に3つの事業戦略【収益の安定化】・【既存事業領域の拡大】・【新規事業領域の創造と育成】を掲げ、その事業戦略に沿った形で個別事業戦略に展開し、人材基盤を強化するための施策を行うことにより、強い意欲を持って経営目標の達成に挑戦していきます。

4.2 事業戦略

収益の安定化

 ■継続的に契約できている業務については、安定的な収益を確保するため、業務提携や技術継承により品質の高いサービスを維持し、業務の付加価値向上に努め、事業環境に応じた体制を構築します。
 当社では、『情報関係業務』、『水道施設運転管理・維持管理関係業務』を収益の安定化を図る業務と位置づけます。

既存事業領域の拡大

 ■事業体から早い段階より委託化されている業務については、実績を積み重ね多くの事業体と信頼関係が構築できています。今後も信頼を維持するためにサービスの向上に努め、事業領域及び事業エリアを拡充していきます。
 当社では、『営業関係業務』、『施工監理関係業務』、『給水関係業務』を既存事業領域の拡大を図る業務と位置づけます。

新規事業領域の創造と育成

 ■事業体が抱える課題を解決するために、外部委託化の提案を行い、事業を創造していきます。また大阪市水道局のノウハウを保有する企業としてシンクタンク機能を強化し、他企業・他団体とのパートナーシップを積極的に推進し、将来的には国内及び海外のPPP/PFI事業、コンセッションへ参画等、新規案件形成に挑戦していきます。
 当社では、『コンサルティング関係業務』を新規事業領域の創造と育成を図る業務と位置づけます。

4.3 個別事業戦略

収益の安定化

【情報関係業務】

 配水管や給水装置の紙図面等をファイリングシステムへ登録する業務(ファイリング業務)は、事業体職員の減少等を背景に、将来的には外部委託が増大し、市場の拡大が見込まれます。
 当社は、ファイリング業務を行っている民間企業としては希少な存在であり、高度な知識と豊富な経験があり、業務品質を高水準で担保しております。
 システム開発業務については、業務提携を行い、システムの再構築といった付加価値を高めることで、システム運用・保守業務、ファイリング・マッピング業務をまとめた情報関係業務における一連の業務全体の受託を目指し、事業体からのあらゆるニーズにお応えします。

【水道施設運転・維持管理関係業務】

 今後ニーズが高まると見込まれるコンセッションや包括委託といった官民連携による取組みにおいて、水道施設の運転・維持管理業務(O&M)は中核事業に位置づけられます。
 当社にはマネジメントができる資格取得者が豊富に在籍しており、長年の受託実績等により、新たな中核的な人材の育成を進めているところです。
 今後は、民間企業に対し資格取得研修を行うとともに、各事業体や民間企業のニーズに沿った技術支援を行っていきます。また、業務を補完し合えるパートナー企業と協力し、可能な限り業務受託範囲の拡大を進めていきます。

既存事業領域の拡大

【営業関係業務】

 水道メーター検針や窓口受付、料金収納といった、水道を使用するお客さまの最前線に立つ営業業務は、水道トータルシステムを標榜する当社としては、継続的に技術を継承していく使命があります。
 当社は、水道事業体出身者が多く在籍する特性を活かし、事業体に寄り添ったコミュニケーションが図れます。また、当社の持つ総合的技術やノウハウを活かし、事業体が抱える課題に対して、担当部署のみならず全社的に共有し、事業体にご満足いただける最適な提案を行うことで、サービスの向上に努めます。
 現受託事業体はもちろん、当社事業エリアを拡大していく上での推進力として、当社のノウハウを積極的に多くの事業体に提供してまいります。

【施工監理関係業務】

 水道施設・管路等の設備は今後更新を迎えるものが多く、また、技術者不足等から施工監理業務の外部委託に関心を示す事業体が少なくなく、当社が取り組む業務としての重要性は年々高まっております。 当社には、水道事業体出身者が数多く在籍しており、実務経験を通じた監理(設計・積算等を含む)のノウハウを十分に有しております。この優位性を活かしてサービスの向上に努め、事業エリアを拡大していきます。一方で、外部委託化の動向を把握し、ニーズに応じた人材育成及び採用計画を行い、さらに資格取得者を中心に事業体への社員派遣も視野に入れるなど、事業体が抱える課題に応えていきます。

【給水関係業務】

 事業体における技術者不足を背景に、給水装置工事に伴う検査等業務の外部委託が増加すると予測されます。
 当社には、給水装置工事に関わる資格保有者や、水道事業体出身の業務経験者が多数在籍しており、さらに給水装置工事に関わる実務経験を得るための既存業務もあるため、技術者を育成する環境は整っております。
 既存業務はもちろん、給水装置工事に伴う検査等業務に携われる人材を育成し層を厚くすることにより、早い段階で実績を作り、実績から得たノウハウを多くの事業体にフィードバックしていきます。

新規事業領域の創造と育成

【コンサルティング関係業務】

 水道事業では、水需要の減少による料金収入の減少、職員の減少、施設の老朽化等に直面するとともに、水道事業に携わる専門的な人材の確保・育成に切実な課題を抱えている事業体が少なくありません。そのため、課題解決の一つの手法としての官民連携の仕組みづくりと事業実施のサポートをするコンサルティング業務の社会的要請が増えており、大阪市水道事業で培ったノウハウを提供する当社にとって、積極的に参画できる機会であると考えます。
 一方で、大阪市水道局は周辺の事業体と技術支援を通じた都市間連携を推進しており、その都市間連携の枠組みの中でも、当社が共同参画することにより、官民連携の構築に貢献できると考えます。

 当社では、コンサルティング業務を事業の柱の一つとするべく、シンクタンク機能を強化し、他企業・他団体とのパートナーシップを積極的に推進します。
 当面は、国内外の水道施設の運営・維持管理等における技術OJT支援や技術者派遣に取り組み、次のステップとして、水道事業広域化の検討や経営戦略等において、事業体に対しては行政補完的なコンサルティング業務の受託拡大を図り、民間会社からも技術アドバイザリー業務の獲得を目指します。

 将来的には、各業務分野の強みを横断的に融合し相乗効果を発揮することにより、国内及び海外のPPP/PFI事業、コンセッションへ参画する等、新規事業の案件形成に挑戦していきます。このような事業展開により、事業体のインセンティブの創出をサポートしていきます。

4.4 人材基盤強化施策

 次の3つを強化方針として、「事業運営の安定・向上」を図ります。


(1)人材育成の強化 
■ 経験豊富なベテラン社員が数多くいることを活かし、若手社員に対して現場研修等を通じて技術を継承していきます。
■ 当社独自の技術継承システム「TAPシステム」を活用することで、業務に必要な知識や技術力を速やかに習得させます。
■ 各職位に求められる基本スキルの習得を目的とした「階層別研修」を充実します。

(2)採用の強化 
■ シニア社員が大量に退職する時期に備え、新卒や第二新卒等を中心に次世代を担う人材を積極的に採用してまいります。
■ 水道事業体出身者を中心に、当社業務の即戦力となる人材の確保に努めます。

(3)健康増進の強化 
■ 各職場において、安全衛生活動の推進を図ります。
■ 健康診断実施項目について、オプション検査等の拡充を検討します。


5.経営目標(数値目標)

 3つの事業戦略とその具体的な個別事業戦略を展開することで、売上高の増加につなげる一方で、財務・コスト管理を徹底することにより利益を安定的に確保していきます。

株式会社大阪水道総合サービス 中期計画PDF

 

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